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講演会「親は子に何を残せるのか?」

  • 更新日時:2024/03/05 (火) 9:00
  • 講演会
講師
藤原 和博(ふじはら かずひろ)氏
プロフィール

 藤原さんは東京大学経済学部卒業後、リクルート入社。96年同社フェローとなります。2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校長を務めました。
 その後も大阪府知事特別顧問、奈良市立一条高校長などを歴任され、教育改革に取り組まれました。教育界にはびこる「正解主義・前例主義・事勿れ主義」を排し、一斉授業を超える仕組みづくりに奔走。著書に「10年後に君に仕事があるのか」など多数あります。

開催日時
令和5年11月25日(土)
開催場所
富山県民会館 ホール
演題
「親は子に何を残せるのか?」 ~未来を拓く「情報編集力」の育て方、磨き方~

 先生は「一斉授業」だけでなく、主体的・協働的に学ぶ「アクティブラーニング」を学校教育で取り入れていくべきと提案されています。今回の講演も、先生が出された課題について参加者が周りの方と話し合いをし、頭を柔らかくしながら進められました。

今の子供たちに大事な力とは

 これから十年の最大の社会変化では、仕事の半分くらいは無くなると予想されている。こうした社会変化では、正解がある問題に早く正解を出す「情報処理力」、これは「基礎学力」とも言われるが、それが求められることは機械がやるようになる。成熟した社会ではどんどん正解がなくなっており、ここを人間がやることになる。そこでは人の意見をよく聞き、人の技術や知識を自分に手繰り寄せて脳を拡張し、仮説をもっと出し、その仮説の中から自分が納得し、他者をも納得させられる「納得解」を、頭を柔らかくしてどれだけ紡げるかが勝負になる。こうした力を「情報編集力」と言い、子供にこれを伸ばしていくことに意識を向けるべき。

「情報編集力」の特徴

 情報編集力では、正解のない課題に対して仮説をより多くだすために、異なる要素(モノ・コト・ヒト)を掛け算でつなげる力が大事である。

 例えば2030年に出るお掃除ロボットにどのような機能があるか推理してみよう。そのときに大切なのは掃除機と掃除機と全く違うものを掛け算して、正解でない仮説をたくさん出せることが大切。

 また、正解が多かった時代から違う時代に変化している。そこでは、ただ「信じろ」ではなく、言っていることはもしかすると違うかもしれないと上手に疑うも必要。そのためには正解が一つでないことを「「プリティカルシンキング(複眼思考)」や「アクティブラーニング」で学ぶ必要がある。

親は子に何を残せるか?

 10歳ぐらいまで徹底的・豊かに遊びきった子は「情報編集力」のベースができる。そのころに想定外の問題にどれほど対処してきたか、二律背反の問題にどれほど出会い現実的な答えを出したかが大切。

 生きる三大要素は半分以上家庭教育による「基礎的人間力」がベースにあり、前出の「情報処理力」「情報編集力」からなる。AIロボットは「情報処理力」の要素が強い仕事から奪っていく。これからは「希少性」が求められる。「レアさ」「たった一人しかいない」「ユニークネス」と言っても良い。そのため頭を柔らかくして「納得解」をどれだけ導けるか。親は子供たちと共に、その子の希少性を上げていくことに集中すべき。

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